神式の葬儀とは
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神式の葬儀(しんしきのそうぎ)は、日本古来の神道に基づいて行われる葬儀の形式です。仏式とは異なり、仏教用語や儀式は用いず、神道の教義と儀礼に基づいて故人の霊を慰め、祖先の神々のもとへ送る儀式です。以下に神式葬儀の特徴と流れを紹介します。
🌿 神式葬儀の特徴
項目 | 内容 |
---|---|
呼び方 | 「葬場祭(そうじょうさい)」「神葬祭(しんそうさい)」などと呼ばれます |
宗教者 | 神職(神主)によって執り行われる |
故人の呼び方 | 「帰幽者(きゆうしゃ)」=幽界(あの世)に帰った者という意味 |
供物 | 酒・塩・米・野菜・果物・水などの清浄な食物(仏式のお香・線香は用いない) |
焼香ではなく | 玉串奉奠(たまぐしほうてん)=榊に白い紙を付けた玉串を神前に奉げる儀式 |
🧭 神式葬儀の全体的な流れ(時系列順)
1. 帰幽報告(きゆうほうこく)
- 故人が亡くなったことを、神棚や氏神様に報告する。
- 神棚には「半紙」や「白い布」で「神棚封じ」を行い、死の穢れ(けがれ)から守る。
- 仏教の「枕経」にあたる儀式はないが、神職を呼んで初期儀礼を行う場合も。
2. 通夜祭(つやさい)
- 葬儀の前夜に行う祭儀で、親族・近親者が集まり故人の霊を慰める。
- 神職が祝詞(のりと)をあげ、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行う。
- 「夜通しの付き添い」は近年では省略されることも多い。
3. 遷霊祭(せんれいさい)
- 故人の魂を「霊璽(れいじ)」という白木の板(神道の位牌)に移す神事。
- 非常に重要な儀式で、灯明や鈴の音で霊を霊璽に導く。
- 一般には親族のみが立ち会う。
4. 葬場祭(そうじょうさい)
- 神式葬儀の本祭。仏教の「告別式」「葬儀式」にあたる。
- 神職が祝詞を奏上し、故人の功績をたたえ、冥界への安らかな旅立ちを祈る。
- 遺族、参列者が玉串奉奠を順に行い、最後に喪主のあいさつがある。
5. 出棺祭(しゅっかんさい)
- 棺を霊柩車に乗せる前に行う儀式。
- 神職が祝詞をあげ、霊柩車の前で一礼して見送る。
- 棺の上に「榊」や「しめ縄」を置くことがある。
6. 火葬祭(かそうさい)
- 火葬場で行われる簡略な儀式。
- 神職が祝詞をあげ、玉串を捧げる。
- 一般的に、親族のみが立ち会う。
7. 帰家祭(きかさい)・十日祭・霊前祭など
- 遺骨を自宅に安置後、忌明けまでに行われる複数の儀式。
- 仏教でいう「初七日」「四十九日」などに対応する。
8. 五十日祭(ごじゅうにちさい)・合祀祭(ごうしさい)
- 神道における「忌明け」の祭儀。これで正式に喪が明ける。
- 故人の霊を祖先の神々のもとに合祀する。
- 霊璽を家庭の祖霊舎(みたまや)に納める。
🌿 神式の作法・マナー
玉串奉奠(たまぐしほうてん)の手順
- 神職や係員から玉串を受け取る。
- 両手で玉串を胸の高さに持つ(根元を右手、葉先を左手)。
- 神前へ進み、軽く一礼。
- 玉串を時計回りに90度回し、さらに180度回して葉先を神前へ。
- 台の上に置いてから、二礼二拍手一礼。
- 拍手は「忍び手(しのびて)」と呼ばれ、音を立てずに手を合わせる。
- 一礼して下がる。
🔔 服装と作法
- 喪服は黒のスーツや和装など、仏式とほぼ同様。
- 焼香は行わず、玉串を受け取って正しく奉奠する。
- 玉串奉奠では、玉串を回して葉を神前に向けてから、二礼二拍手一礼(※拍手は「しのび手」といって音を立てない)。
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名古屋の家族葬.com 木田
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