無宗教の葬儀では故人の生きざまを葬儀内容に反映させやすい~無宗教の葬儀のメリット
葬儀のかたちが移り行く今、「無宗教の葬儀」は選択肢の一つとなりました。
今回は、この「無宗教の葬儀」を選ぶことのメリットについてとりあげます。
故人の生きざまを葬儀内容に反映しやすい
「宗教に重きをおいていなかった」
「宗教が嫌いだった」
という人の場合、意識的に無宗教の葬儀を選ぶことがあります。この場合、「自分が無駄だと思うもの(あるいは嫌悪していたもの)」を使わずに送り出すことができるメリットがあります。
またこのような理由によって無宗教の葬儀を選ぶ場合、「葬儀の規模」「葬儀のやり方」は個々の葬儀によって大きく変わってきます。
「できるだけシンプルにしたいから無宗教の葬儀を選ぶ」というケースとは異なり、「故人の好きだったもので彩ろう」「故人の生きざまが分かる葬儀にしよう」といった考え方の元で葬儀を組み立てていくことができます。
故人の好きだった音楽を生演奏したり、故人が好きだった花だけで祭壇を作ったり、故人の趣味のものを飾ったメモリアルスペースを作ったり……と、さまざまな工夫をすることができます。また、「故人が好きだったお店から料理を出してもらう」ということで、生臭類を含む料理を出してもらったり、フレンチなどを選んだりすることもできるようになります。
お布施が必要ない
もうひとつの大きなメリットは、「お布施などを出す必要がない」ということでしょう。
葬儀の費用の約4分の1は、お布施だとされています。これをカットすることができるのは、非常に大きいといえます。
「直葬で、無宗教の葬儀」という場合は、本当に必要最低限の金額で済ませることができます。すべてコミで20万円程度で葬儀を行うこともできます。
上記のように、「故人に生きざまを反映したいので無宗教の葬儀を選ぶ」という場合も、お布施として使う算段だった費用を使って葬儀内容をより厚くすることが可能になってきます。無宗教の葬儀の場合は、「変わったかたちの祭壇をつくりたい」「イレギュラーなやり方をとりたい」と考える人も出てきます。このような希望を叶えるためにはお金がかかりますが、お布施のためのお金をこちらに回すこともできるのです。
宗教への帰属意識が低くなった現在の日本において、無宗教の葬儀は、ひとつの選択肢となっています。実際、40歳前の人でも、「自分が死んだら無宗教の葬儀にしてくれ」と申し送りをしている人も見られます。