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直葬とはもっとも簡素なお葬式を指す言葉

2019/11/19

「一般葬」「一日葬」という言葉があります。一般葬は大勢の人の弔いを受け入れるかたちであり、かつ2日間にわたって行われるのが基本となる葬儀の形態です。対して一日葬の場合は通夜を行わず1日で完結する葬儀のかたちを指します。なお一日葬はほかの弔問客を受け入れて行うことも理屈上ではできますが、基本的には家族・親族のみで行う葬儀を指すケースが多いといえます。

 

この「一般葬」「一日葬」と並んで語られるべき言葉として、「直葬」があります。

今回はこの「直葬」について紹介していきます。

 

 

直葬とは葬儀を行わないお見送りのかたち

 

一般葬にしろ一日葬にしろ、これらには宗教的儀式がついてくるのが普通です。また、無宗教で行われる葬儀の場合であっても、参列者がお花を入れたり音楽の流れるなかでお別れをしたりといった時間が設けられます。そのために式場が借りられ、祭壇が用意されます。

 

しかし直葬の場合は様子が大きく異なってきます。

 

直葬の場合、式場を利用することなく、そのまま火葬を行います(控室などに棺を安置することはあります)。葬送儀礼を含まないのが一般的であり、火葬場でのお別れとなるため、「火葬式」と呼ばれることもあります。またこの形式の場合、繰り上げ初七日法要やそのあとの食事はカットされることが多いのが特徴です。

 

直葬は、もっとも簡単で簡素なお見送りの形態だといえるでしょう。

 

 

直葬において省かれるもの

 

直葬の場合、一般葬や一日葬で設けられる「祭壇」は原則として作られません。用意されることもないわけではありませんが、極めて簡素です。

また、直葬においては宗教的儀式を含まないやり方がとられることが基本となります。ご家族が希望すれば宗教者(たとえば僧侶など)を呼んでお経をあげてもらうことはできますが、特に呼ばずにお別れするやり方がとられることが多いといえます。

 

非常に簡素でシンプルな葬儀であるため、費用はあまりかかりません。また、費用面の話だけではなく、故人の強い遺志により、この「直葬」が選択される場合もあります。

 

ただ直葬の場合は、ほかの葬儀以上に「周囲の理解」が必要になってきます。

「故人は結婚もしなかったし、子孫もいない。遠い親戚である自分たちが、気の毒なので葬儀だけ行う」という場合はともかく、「親戚もいるが本人(あるいは家族)の希望で直葬にする」という場合は、周りからの理解が得られるようにしっかりと話し合っておかなければなりません。