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葬儀と花~宗教による違い・キリスト教

  • お葬式のマナー
2020/01/24

「キリスト教」は、「花」との関わりが非常に深い宗教です。

それについてみていきましょう。

 

 

キリスト教の表書き「献花料」

 

キリスト教では、「花」を非常に重要視します。

仏教における「焼香」、神道における「玉串奉奠」の代わりに「献花」がありますし、不祝儀の表書きにも「花」を入れた文字を書くことになります。

 

キリスト教は、大きく分けて、カトリックとプロテスタントに分けられます。式のやり方も教会の在り方も異なりますし、不祝儀の表書きも異なります。カトリックの場合は「御ミサ料」、プロテスタントの場合は「忌慰料」と書きます。

しかし、「御花料」という書き方ならば、カトリックでもプロテスタントでもどちらでも使ってもよいとされています。そのため、「相手の家がキリスト教だということはわかっているが、プロテスタントかカトリックかわからない」という場合は、この「お花料」の言い方を使うのが望ましいでしょう(なお、「ご霊前」は、本当はカトリックでのみ許可されている書き方です。しかしプロテスタントで使っても大きな問題にはなりません)。

 

また、キリスト教の不祝儀袋は、表に十字架やユリが印刷されたものを使っても構いません。水引は使用しないやり方もありますが、「使用してはいけない」というものでもありません。

なお蓮の花は、仏教の花なので避けましょう。

 

 

キリスト教における「花」の考え方

 

キリスト教では、スタンドフラワーなどは原則として送りません。送る場合は、かご盛りのような形にして送るのが一般的です。また、選択肢の一つとして、十字架などの形をした花を送る場合もあります。

キリスト教の場合は、「自宅に送るか、それとも会場に送るか」も考え方に違いがみられますから、必ず確認をするようにしてください。また、仏式などでは花に送り主の名前を書いた木札を立てますが、キリスト教の場合は名札を付けないのが基本です。

 

白い洋花を選ぶのが基本で、菊などの「和」をイメージさせるものは避けられる傾向にあります。ただ、「絶対に使ってはいけない」というものでもありません。また、白い花が基本とはなりますが、ピンクなどのおとなしい色合いのものを利用するケースもあります。

 

献花に使う花は、葬儀会社側が用意します。「自分でブーケを作り、式の最中にそれを献花としてささげる」というやり方はとりません。

 

 

このように、葬儀における「花」にも、宗教による違いがみられます。

もっとも、一番重要視すべきなのは故人やご家族のご意向ですから、故人の遺志やご家族の意思によっては違う形態がとられることもあります。