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葬儀とお供え~キリスト教はまた考え方が異なる

  • お葬式のマナー
2020/02/21

「葬儀のときに捧げられるお供えは、宗教ごとで異なる」としました。そしてそのなかでも、「キリスト教」はかなりお供えのかたちが異なるものです。

 

キリスト教のお供えについてみていきましょう。

 

キリスト教では基本的には「枕飾り」は行わない

神式の葬儀でも仏式の葬儀でも、「枕飾り」が行われることはすでに述べた通りです。

しかしキリスト教の場合は、原則として、この「枕飾り」は行いません。キリスト教の考え方自体には、枕飾りの風習はないのです。ただ、日本では昔から枕飾りを行っていたため、「日本で行われるキリスト教の葬儀」においては、枕飾りがなされることもあります。

 

このようにキリスト教の枕飾りは、「もともとはなかった風習」にかたちを与えたものとなります。そのため、厳格な決まりがあるわけではありません。

ただ、一般的によく見られる「キリスト教の枕飾り」では、以下のものをよく配します。

 

・十字架

・聖書

・パン

・水

・花

 

「十字架」「聖書」は、キリスト教において非常になじみ深い宗教的なアイテムです。

また、これに加えて、ほかの宗教では見られない「油の入った壺」が置かれることもあります。これは聖油壺と呼ばれるものです。この聖油壺は、「終油の秘跡(しゅうゆのひせき。病人の塗油とも呼ばれる。キリストが病人を癒すために油を塗ったこと、そのために祈ったこと、またそれにまつわる宗教的儀式全般を指す)」にのっとって置かれるものだとされています。

 

花は、白い花が一般的に使われます。

 

ほかの宗教と同じ要素としては、「ろうそくが捧げられること」「水が捧げられること」が挙げられます。

 

 

キリスト教の祭壇には供物は捧げない

 

葬儀を行うときに用いられる「祭壇」に注目しましょう。

 

仏式や神式の場合は、供物として果物や缶詰、乾物類が出されます。仏教の場合は(現在では形骸化していますが)お香、神式の場合はお酒がお供え物として選ばれることもあります。

 

しかしキリスト教の葬儀においては、このような「供物」は出しません。家庭によって多少考え方に違いはありますが、キリスト教の葬儀においては、原則として、食べ物などの供物は受け取らないのです。

キリスト教の場合は、供花(白い花が基本)は捧げられるものの、食べ物関係の供物は用いないということに注意してください。「弔意を示すために、供物や供花を出したい」とお考えの場合は、供花を選ぶようにしてくださいね。