葬儀とお供え~供えられた供物は、葬儀の後はどこへ行く?
「供物」として出したお菓子や缶詰がどこへいくのかを疑問に思ったことがある人もいるのではないでしょうか。
このような「供物の行方」は、一般の参列者として参列した場合にはなかなか知る機会がありません。
ここでは、そのような「ちょっと気になる供物の行方」について解説していきます。
供物は葬儀後ばらされる
供物は、通夜に合わせるようにして手配されます。そして通夜と葬式・告別式の後はずっと葬儀会場に飾られることになります。葬儀会場に供物がある光景は、多くの人にとって見慣れたものでしょう。
問題は、葬式・告別式が終わった後です。
実は、葬式・告別式が終わった後、供物は多くの場合ばらされます。ただし、1~2台程度は、ばらされることなくそのままの状態で置かれることもあります。これは、お骨がご自宅に帰った後、後飾り(後飾り祭壇ともいう。多くの場合、納骨が済むまでの間飾られる)の脇に、お供えとして飾るためです。
ばらされた供物は、内容物によってその処遇が異なります。
お菓子、果物……それぞれの行く先と利用方法
まず、「お菓子」から見ていきましょう。お菓子は、
1火葬場で食べるもの
2食事後の引き出物として渡されるもの
3家に帰った後のお供えとして使うもの
4後日訪れる弔問客に出すことを目的として、喪主が持って帰るもの
の4つのパターンがあります。
火葬場では、お骨の焼き上がりを待つことになります。45分~2時間程度かかりますから、このときに軽食をとることになります。このときに、供物として入れられていたお菓子を食べることがあるのです。なおこの支度は、葬儀会社のスタッフが担当するのが一般的です。ただし、「火葬場で食べるためのお菓子」を別に用意している場合は、この限りではありません。
火葬後、繰り上げ初七日法要などを経て、精進落としの席が設けられます。その後には引き出物が渡されますが、供物のなかに入っていたお菓子も「引き出物」として持って帰ってもらうことがあります。
それ以外のお菓子は、喪家が持ち帰ることになります。
家に帰った後、祭壇や仏壇にお供えするものとして、このお菓子が使われることもあります。
また、「葬儀には参列できなかったが、後日弔問に伺いたい」と言われたときのお茶請け菓子として使うやり方も一般的です。
果物や缶詰は、調理やゴミの関係もあり、1のパターンがとられることは原則としてありません。また、果物は足がはやく、缶詰はお茶請けとして出すには適さないことから、4の目的で使われることもほとんどありません。多くの場合、2や3のかたちで使われます。
それでも余ったものに関しては、喪家で自家消費されるのが一般的です。
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